研究への参加

本研究部門では、関西の自治体や企業、大学、市民活動をされている団体など様々なアクターと連携しながら「新たな防災」や「いのちを大切にする未来社会」についての構想を描き、実現していきます。ご興味を持たれた方は、今後開催を予定している研究フォーラムなどの機会にぜひご参加ください。

研究概要

背景

世界的に⼤災害の時代がおとずれており、⽇本では阪神・淡路⼤震災(1995年)、新潟県中越地震(2004 年)、東⽇本⼤震災(2011 年)、熊本地震(2016 年)と⼀連の地震災害が発災し、都市部、沿岸域、内陸⼭間部など国⼟に形成されてきた集落・都市の脆弱性が露呈しています。また、紀伊半島⼤⽔害(2011 年)、関東・東北豪⾬(2015 年)、⻄⽇本豪⾬(2018 年)などの⽔害では、近代的な治⽔・防災技術が⾃然・⽣態系に対して様々な⽭盾を抱えていることが明らかとなりました。これらの災害からの復興対策として堤防の構築や⾼所移転、事前の対策として避難タワー建設、河川改修などの防災対策が取られていますが、巨⼤な構造物が社会や⽣態系の分断を招いているとの批判もあり、防災が真に⽬指すべき⽅向性や理論は得られていません。当研究部⾨は、このような防災施設整備を中⼼とする「従来の防災」を越えて、⼤災害への対策を、疲労した都市・地域の社会・経済・空間構造を未来に相応しいものへと再編するための転換点と捉え、命を⼤切にする未来社会を具現化するための「新しい防災」の学術体系の構築と社会的実践を⽬指すことを⽬的とします。

研究部門の理念と学術分野の構成

「新たな防災」の体系化のための理念として、本学のシンクタンクである社会ソリューションイニシアティブ(SSI)が「命を⼤切にし、⼀⼈⼀⼈が輝く社会」の構想と実現を⽬指して構築した3つの視点、命を「まもる」、「はぐくむ」、「つなぐ」を踏襲します。また、⼤災害を乗り越えた先にある未来社会の構想と実現のためには、防災分野のみならず、社会学、経済学、政策学、空間学、地理学、⽣態学など、都市・地域の構造や仕組みを扱う分野と、情報、環境・エネルギー、モビリティなど、都市・地域の構造に⾰新をもたらす先端技術が必要であり、これらを統合するための新たな研究領域の開発も必要になる。そこで当研究部⾨では、命を⼤切にする「新たな防災」研究を追求するために、「『⼼の世界』と『実世界』を統合するための3 つの研究領域」と「『実世界』の構造を再編するための5 つの研究領域」を設置します。

研究部門の活動の概要

まず
①学内外にわたる研究・実践体制の構築、
②命と⼼を⼤切にする「新たな防災」研究の学術体系の構築、
③⼤阪ベイエリアにおける共創フィールドの形成と実践、
④「SSI 地域・まちづくりフォーラム」による関⻄都市圏並びに災害常襲地域・過疎地域の⾃治体との広域連携の構築、
⑤⼤阪都構想に代わる、⼤阪湾を中⼼とする「関⻄州(仮)」の構想を⾏います。

また、③の活動は、⼤阪・関⻄万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を会場敷地にとどまらず、周辺地域へと拡張させるものであり、当部⾨の活動を継続することで、⼤阪・関⻄地域に万博の「レガシー」を受け継ぐことを⽬的としています。

R10年までの行程計画

第4期および将来の行程計画
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