研究メンバー

ご挨拶

近代化・産業化が進んだ現代、「公」と「私」との間の様々な「共」、本来であれば、路地・小広場、街路・中広場、大通り・広場、まち・むら、都市・地域の段階に入れ子状に形成されるはずの「コミュニティ」が弱体化し、機能不全を起こしています。このことは、自然を含めた私たちの「いのち」を分断し、その輝きを妨げています。

「新たな防災」とは、「防災」そのものを目的とするものではなく、「防災」という活動を通して、人口減少、コミュニティの衰退、産業の衰退、社会格差、気候変動など、現代における様々な社会課題・地球規模課題に立ち向かい、解決に向けた活動を継続することによって「共」を復活させ、私たちの「いのち」を輝かせることです。たとえ災害がおとずれなくとも、「新たな防災」の活動は、人や社会を未来に向けて持続的に発展させていくことになるでしょう。

本部門では、このような問題意識に立って、これからの行財政システム、デジタル技術、水系管理、交通システム、土地利用、建築・土木構造物、建築・都市エネルギーシステムにおける様々な試みや実践を通じて、公 – 共 – 私の関係を再構築する研究・教育・社会貢献を進めます。

部門長 堂⽬ 卓⽣
社会ソリューションイニシアティブ長

メンバー紹介

教授 堂目 卓生
SSI/経済学研究科
教授 木多 道宏
SSI/⼯学研究科
教授 伊藤 武志
社会ソリューションイニシアティブ SSI
教授 渥美 公秀
⼈間科学研究科

阪神・淡路大震災以来、災害ボランティア活動に注目してきました。見ず知らずの人々のいのちとくらしに寄り添いながら、状況の変化に臨機応変に対応していく姿に魅了されています。災害ボランティアのグループ・ダイナミックスを新たな観点から考え、実践していきたいと思います。

教授 稲場 圭信
⼈間科学研究科
教授 堤 研⼆
⼈⽂学研究科

私は、社会経済地理学者として山村・離島・炭鉱閉山地域・大都市圏内部などにおける、人口減少地域社会(縁辺地域)の調査・研究に携わってきました。日本のほか、ドイツ・スウェーデン・スペインなどで調査を行い、地域変動・イノベーション・ネオソサエティなどの理論的研究にも目配りをしています。このNew-PODのプロジェクトにおいては、地理学者としての経験をふまえながら、土地利用・地域生活機能・人口移動・地域開発・地域性などに関する視点から防災・減災を考えていきたいと思います。

教授 赤井 伸郎
国際公共政策研究科

経済学をベースに、日本の公共政策の在り方を研究しております。豊かな日本を実現するために、公共にはどのような政策が求められているのか。特に、インフラ政策は重要です。ただし、無限にお金があるわけではないので、費用対効果を重視し、効率的・効果的なインフラ整備が求められます。国民一人一人が、どのようなインフラが実現可能で価値があるのかを考え、インフラ整備により豊かな日本が実現することを、私も研究を通じて応援していきたいと思います。

教授 福田 雅樹
社会技術共創研究センター

情報通信をめぐる法と政策に関する研究、情報通信技術(ICT)をはじめとする科学技術の研究開発及び利活用をめぐる倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues [ELSI(エルシー)])に関する研究等に取り組んでおります。例えば、最近では、防災、都市計画、交通、建設、ヘルスケア等多様な分野においてシミュレーション、最適化、効果・影響・リスク評価等の用途での利活用が進みつつある「デジタルツイン」に関し、その構築、運営及び利活用をめぐる倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の研究をも手掛けております。New-PODの目指すところである「命を大切にする未来社会を具現化するための「新しい防災」の学術体系の構築と社会的実践」に貢献できるよう鋭意取り組んでまいります。

教授 原 隆浩
情報科学研究科

先進ネットワーク環境におけるビッグデータ解析・処理技術および人工知能を用いたユーザの行動予測技術について研究開発を行っています。これらの技術は、スマートシティの都市計画や防災計画など、高度情報社会における「いのちを守る、いのちを育む」基盤として大きく貢献できると信じ、教育・研究に邁進しております。

教授 山口 弘純
情報科学研究科

情報通信技術は防災においては不可欠であり、例えば発災時には迅速で正確な人々の情報収集や分析が求められます。平時においても常に人々の位置や行動を理解し、災害時に備える技術が必要となります。私が専門とするモバイルコンピューティング・パーベイシブ コンピューティングの様々な技術が少しでも防災に役立つよう努力していきます。

教授 猪俣 敦夫
サイバーメディアセンター

形を成す「モノ」に対して価値を見出してきただけの過去は終わりに近づき、形を持たない「情報」が資産となる現代において、それら情報を大切に守ることが重要になっています。一度でもその情報が漏洩したり窃取されたりすると元の何も無かった状態に戻すことは絶対にできません、さらには自身がたとえばSNSなどへ発信した情報も取り消すことすらできない、今やそんな時代です。サイバーセキュリティは技術的ないし専門的な分野に思われがちかもしれませんが、そのほとんどは「ヒト」が絡むすべての領域に関係するものです。だからこそ「情報」を守ることは人のいのちを守ることと等価です。私たちすべてが生活など全てにプラス・セキュリティを意識しなければならない社会に気付かぬうちにもう入り込んでいます。

教授 下⻄ 英之
サイバーメディアセンター
准教授 安福 健祐
サイバーメディアセンター

エージェントベースシミュレーションを使った群集・避難の研究に取り組んでいます。個々のエージェントの相互作用により群集の挙動が再現され、複雑な人間の行動パターンを理解するための強力なツールとなります。また、実世界と仮想世界を接続したデジタルツインの可視化によって避難計画の策定や大規模イベント時の群集制御に新たな洞察をもたらします。このような研究成果を活用し想定外を想定内に変えていくことで、新たな防災に貢献できればと考えています。

教授 原 圭史郎
⼯学研究科

現代社会は、気候変動や資源エネルギー問題、インフラ維持管理の問題や産業イノベーションなど、様々な長期的課題、すなわちサステイナビリティ問題に直面しています。これらは、将来世代に影響しうる問題です。将来世代を考慮した意思決定と行動を生み出すための新たな社会の仕組みが求められる所以です。私は、将来世代に持続可能な社会を引き継ぐための新たな社会の仕組みをデザインし実践する「フューチャー・デザイン」を主な研究対象としています。また、これらの仕組みや方法論・技術を、実際の政策立案や社会・技術システムの設計等に応用すべく、自治体や政府、産業界などのステークホルダーとの共創をベースに研究や実践を進めています。防災は、まちづくりやインフラの維持管理、ライフスタイルや価値観など、多元的要素を考慮しつつ長期的観点からの検討が必要であり、フューチャー・デザインがまさに貢献できる分野です。

教授 倉敷 哲生
⼯学研究科

専門分野である「複合材料工学」「信頼性工学」「工学教育」を軸に、数値シミュレーション、マルチスケール解析技術、機能創成デザイン、リスクコミュニケーション等の研究を異分野連携・産学連携により推進しています。中でも、石油化学分野におけるタンク火災・気体拡散を対象に、数値シミュレーション及び実験による被害想定や減災効果の評価を行っています。また、防災・リスクコミュニケーション分野を対象に、「フューチャー・デザイン」×「教育」として将来可能性教育の取組みを高大連携により推進しています。防災を自分事として実感して頂き、将来可能性を育むため人材育成としての教育活動を展開しています。

教授 飯島 ⼀博
⼯学研究科

海の技術は脱炭素社会を支える。洋上風力発電施設、大型浮体プラットフォーム、大型船舶などの海の大型構造物を対象とし、必要な流体構造連成解析、構造デジタルツイン技術を研究しています。

教授 ⼟井 健司
⼯学研究科
教授 乾 徹
⼯学研究科

土木工学分野のうち地盤工学、地盤環境工学を専門としています。地盤に関わる自然災害や環境汚染の防止や軽減、対策を目的とする技術の確立はもとより、土地の成り立ちと災害リスクの関係をわかりやすく市民の皆様にお伝えする教育コンテンツの検討や、いのちを育む場や食糧生産の基盤として将来世代にどのような土地(地盤)を継承していけばよいのかを皆様と一緒に取り組みたいと考えています。

教授 真⽥ 靖⼠
⼯学研究科
教授 下⽥ 吉之
⼯学研究科
教授 ⼊江 政安
⼯学研究科
准教授 山口 容平
⼯学研究科
准教授 福田 知弘
⼯学研究科
特任准教授 松本 文子
⼯学研究科
助教 金 徳祐
⼯学研究科

建築計画を専門とし、特に美術館環境における鑑賞者の回復や愛着を研究しております。人々の心身に好影響を与える構築環境のあり方を多角的に考え、命を大切にする未来社会づくりに一助となれば幸いです。

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